映画『百円の恋』
呆れる程に、痛かった。
人生、どこでやる気を起こすか!
『百円の恋』を観てきました!(気合w)
2014年の年末、ギリギリ映画館に滑り込んで見てビックリしました!
こんなに勇気をもらえる映画に出会えるなんて。
周南映画祭で創設された脚本賞“松田優作賞”の第1回グランプリに輝いた足立紳さんのオリジナル脚本を映画化した作品で、東映ビデオが出資をしているみたいで、単独だからインデペンデント映画なんだと思う、これが重要。
実家にひきこもって自堕落な生活をする32歳の女性が、仕方なく一人暮らしをする始め、仕方なく100円ショップでアルバイトを始め、そんな中ボクシングジムで知り合った男性と付き合い始めて、自らもボクシングジムに通い始める・・・
前半の安藤サクラさん演じる主人公・一子のグタグタ感が半端無く、作品もダラダラとした日常を描き続ける。
女を捨てた三十路女、アルバイトをしてもまともな接客も出来ず、アルバイト先の同僚に処女をレイプで奪われてしまう。
そんな日常を描いて作品はどこへ向かうのか?と不安になるが、それは後半のカタルシスのために必須だったことが判る。
後半は、一転してボクシングにマジに取り組んでいく一子の姿を描く。
それが、何か一念発起して!とかではなくて、なんとなくカッコ良さそう~とか、男にフラれたからと言う動機、でもその本気度は本物!
ここからの安藤サクラさんの迫力が凄い!演技なのか?本気なのか?
ブヨブヨの身体が引き締まって、顔も一回り小さくなっている。
(あとで聞いたら、撮影を2度に分けたらしい)
マジで日本版ロッキー!一気に胸を熱くさせられる。
最後に「エイドリアン~」とは叫ばず、ボソッと「勝ちたかった」と言って泣くあたりは、日本映画ならではの良さでしょう。
新井浩文さん演じる引退したボクサー・狩野に「かわいこぶってるんじゃねぇぞ、ブス!」と言われる一子が最高だった。
安藤サクラさんの体当たりの演技が素晴らしい!今年最高の演技を見せられた気がする。
そして、限られた予算のインデペンデント映画でも、これだけの脚本を書けて、企画立案すればこれだけの作品が出来るという希望を感じる事が出来た作品。
年末に一発かましてくれたロッキー的感動作品だった!
私的『百円の恋』
テーマが有るか?共感できるか?
人生負け組なんて、気持ちの持ちよう、本人のやる気で変われる!これぞ日本版ロッキー
作り手の強い意思を感じるか?
渾身の脚本を劇場公開、そして大ヒット!までに持って行ったそれぞれのスタッフの意欲を感じる作品。
俳優の意思や演技力が伝わるか?
安藤サクラさんの体型から、なりふり構わない演技は凄みが有った!
新井浩文さんの存在感も際立っていた。
映画らしい楽しさが備わっているか?
低予算の映画でしたが、ラストに向かっていくカタルシスが良かった、テレビや他のメディアでは出来ない思いっきりさが良かった。
エンターテイメント性
前半のウダウダ感に意味があるものの、ちょっとそこが退屈に感じる部分。
逆に、本当にダメダメぶりが面白かったんですけど。
演出が素晴らしいか?
日本のインディーズ系らしい演出、それはそれで良さと感じた、ある意味、古さでもあるけど。
脚本が素晴らしいか?
文句がないくらい素晴らしい脚本、断片的なリアリティ感と、絶対無さそうなジャパン・ドリーム的なところのギャップが良かった!
何度も見たくなるか?
自分を変えたい、もう一度勇気を持ちたい!そんな時に観たくなる作品。
映画『百円の恋』のデータ
113分 日本 2014年
監督■武正晴
製作■間宮登良松
エグゼクティブプロデューサー■加藤和夫
プロデューサー■佐藤現/平体雄二/狩野善則
脚本■足立紳
撮影■西村博光
美術■将多
衣装■宮本まさ江
編集■洲崎千恵子
音楽■海田庄吾
音楽プロデューサー■津島玄一
主題歌■クリープハイプ 『百八円の恋』
メイク■金森恵
企画監修■黒澤満
照明■常谷良男
録音■古谷正志
助監督■山田一洋
出演■安藤サクラ/新井浩文/稲川実代子/早織/宇野祥平/根岸季衣
【解説】
今や日本を代表する実力派女優の一人となった「かぞくのくに」「0.5ミリ」の安藤サクラが、渾身の体当たり演技で各方面から絶賛された闘う女の人生再生ドラマ。
故・松田優作の出身地・山口県で開催されている周南映画祭で創設された脚本賞“松田優作賞”の第1回グランプリに輝いた足立紳のオリジナル脚本を、「イン・ザ・ヒーロー」の武正晴監督が映画化。
自堕落な生活を送るダメダメな三十路女が、中年ボクサーとの出会いをきっかけに、自らもボクシングに目覚め、次第に肉体とともに心もシェイプしていく姿を描く。
共演は「アウトレイジ ビヨンド」「愛の渦」の新井浩文。実家にひきこもり、自堕落な毎日を送る32歳の一子。
ある日、離婚して子連れで出戻ってきた妹と衝突して家を飛び出し、一人暮らしをするハメに。
仕方なく、100円ショップで深夜のバイトを始めた一子は、そこで同じように社会からこぼれ落ちた不器用な人間たちと出会っていく。
そんな中、近所のボクシングジムでストイックに練習を続ける引退間近の中年ボクサー・狩野と付き合い始めた一子は、やがて自分もボクシングのトレーニングを始めるようになるのだったが…。(映画データベース –allcinema より)