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映画『紅の豚』 飛ばねぇ~豚はただの豚だ、これこそ男のロマン!

映画『紅の豚』 Porco Rosso

紅の豚

© 1992 Studio Ghibli・NN

カッコイイとは、こういうことさ。

大人向けの宮崎アニメ

宮崎駿アニメの一作品。
彼の作品には数多くの名作が有る、いやいや出す作品全てが傑作と言えるくらい素晴らしい。
でも個人的にはこの作品、彼の作品の中でもっとも好きな作品の一つだ。
理由は簡単、(誤解を恐れずに言えば)男のための作品だから。

『もののけ姫』も『風の谷のナウシカ』も素晴らしい。
作品の出来と言う点では、そっちの方が上かもしれない。
あと郷愁を誘うというか、心にしみる作品というと『となりのトトロ』や『魔女の宅急便』などが有る。
でも、男のロマンを描いた作品は、この作品と『ルパン三世 カリオストロの城』くらいのものである。

宮崎アニメの醍醐味は、やっぱりその人間描写。
宮崎アニメの登場人物は超人的な動きをする、人間らしい動きをデフォルメしているからだ。
そのデフォルメの巧さは、宮崎アニメの神髄だろう。
それを始めて見せられたのは「未来少年コナン」で有る。

さてさて話がどんどんそれていくから、元に戻してと、宮崎アニメに特有の小道具や大道具、そう今回は飛行艇だけど、彼の近未来の乗り物や武器や生物?の描写も面白いけど、前時代的な乗り物の描写がとっても私は好きなのである。

『ルパン三世 カリオストロの城』ならスバル380とか、ワルサーP38とかね。
そんな飛行艇(おもちゃ?)に乗って動き回る男(ここでは豚だけど)観ている男ども(あっ!私)は憧れを胸に抱く。
飛行機や船、そして車にはどこまでも自分の手で行きたいところに行けると言う自由さが有る。
これが男の心、私の心をくすぐるのだ。

でもその一方で、飛行艇を作るのが(戦時と言うことも有って)女性ばかりと言うのは、実はそんな男たちを自由に飛び回らせているのは、私たち女性よ!と言う主張も見えたりして!う~ん。

男のロマンを思いっきり描きながらも、それを支える女性、それを愛する女性を描く、なんてロマンチックでカッコイイ映画なんだろう!

それと今回のこの作品、声優さんの配役が素晴らしい。
ポルコの声に森山周一郎の低い声が何とも、である。
そしてマダム・ジーナに加藤登紀子を持ってきて、しかもしっかりと歌声まで聞かせてくれる。
やっぱりこの映画は男のロマンだぁ~って。

Reviewed in 06.2000

2017年、宮崎駿監督は復活するのか?

どうやら2019年に新作を作ることで話は進んでいるらしい。

NHKスペシャル「終わらない人・宮崎駿」での放送で【企画書・覚書】を鈴木敏夫プロデューサーに渡して「お金を集めて」と言うところで終わっている。
で、何を作るか?についていは明らかにされていないので、鈴木敏夫プロデューサーがヒットさせるタイミングを図って発表するんだろうなぁ~と思う。

どちらにしても、今度は家族で楽しめる作品になるんだろうなぁ~と予想している。
逆にいうと宮崎駿作品は、子供向け・子供と大人が一緒に楽しめる作品ということが本人も言っていることだけど、この『紅の豚』と『風立ちぬ』に関しては大人に向けた映画のような気がする(一応、ジブリの前の『ルバン三世 カリオストロの城』も大人向けだけど)。
共通するのは、戦争で亡くなった人々が空に飛びだっていくシーンがある。

映画『紅の豚』のデータ

Porco Rosso 93分18秒19コマ 1992年 日本

監督■宮崎駿
原作■宮崎駿
脚本■宮崎駿
作画監督■賀川愛/川口俊夫
美術■久村佳津
色彩チーフ■保田道世
音楽■久石譲
主題歌■「さくらんぼの実る頃」 歌:加藤登紀子(J.B.Clement-A.Renard)
挿入歌■「時には昔の話を」 作詞・作曲・歌:加藤登紀子
音楽制作■徳間ジャパン
録音演出■浅梨なおこ
プロデューサー■鈴木俊夫
制作■スタジオジブリ
公開■1992.7.18
作画枚数■58,443枚
使用色数■476

コピー■「カッコイイとは、こういうことさ。」 (糸井重里)

キャスト(声)■ポルコ・ロッソ 森山周一郎/マダム・ジーナ 加藤登紀子/ピッコロおやじ 桂三枝/マンマユート・ボス 上條恒彦/フィオ・ ピッコロ 岡村明美 /ミスター・カーチス 大塚明夫/バアちゃん 関弘子

<DATA>

 宮崎駿の短編漫画を映画化した長編アニメーション。
 ファシスト党の台頭する1920年代のイタリアを背景に、呪いを受けて“豚”となった中年パイロットの活躍を描く。
 森山周一郎がシブい声で扮する主人公・ポルコ・ロッソのダンディズムが光る秀作。
 飛行艇同士によるダイナミックな空中戦や、宮崎自身ファンである各機の細やかな設定も見どころ。 飛行艇を操る空賊が横行していた、第一次大戦後のイタリアはアドリア海。
 賞金稼ぎの飛行艇乗りであるポルコ・ロッソは、空賊たちには天敵の存在。
 自分の顔を魔法で豚に変えてしまったポルコを何とかやっつけたいと一計を案じた空賊たちは、アメリカからスゴ腕の飛行艇乗りを呼び寄せ、彼に一騎打ちを迫る。 <allcinema

 第一次世界大戦を控えたイタリアのアドリア海。
 空賊と呼ばれる飛行艇をつかって船を襲う賊の一団、それを撃退するために金で雇われる賞金稼ぎ。
 賞金稼ぎの一人、ポルコはかつて人間だったものの今は豚になって、赤い飛行艇に乗ることから“紅の豚”と言われていた。
 ある日、空賊は、いつもポルコに邪魔をされることから、アメリカ人のカーチスに用心棒を頼む。
 ポルコの飛行艇が調子が悪いときに、カーチスに発見されて、ついには撃墜させられるポルコ。
 ミラノで飛行艇工場を営むピッコロおやじの元に行き、修理を依頼するが男手は無く、設計するのも孫のフィオという少女。
 しかしフィオの腕は確かで、ポルコの飛行艇は以前にも増して、素晴らしい操作性を示す。
 そしてその飛行艇を持って、再度、ポルコはカーチスと勝負することとなるが・・・

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